2007.10.8(mon) 第1回定期演奏会を振り返る座談会

投稿日:2007.12.19  更新日:2007.12.19

カテゴリ: 演奏会レポート

レポーター:のんたん(Tb)
場所:団長宅 参加者:4名

第1回定期演奏会を振り返る座談会

── 今回は前回の演奏会レポートとはちょっと趣向を変えて、
お酒を飲み交わしながらゆるりとコンサートマスター×ライブマスターの対談・・・
のはずが団長も乱入しての
「第1回定期演奏会を振り返る座談会」の模様をお伝えいたします。

MOMO(コンサートマスター[*1]):よろしくお願いします!

だよタン(ライブマスター[*2]):よろしく~

── さて、演奏会も終わりしばらく経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか。

MOMO:第20回目ぐらいの打ち上げですね(笑

だよタン:確かに、そればっかり。。
でもなくて、、第1回定期演奏会をご覧になれなかったお客様に向けたイベントの準備でちょっとバタバタしてました。
あと、個人的には演奏会でも大活躍のサックスカルテット「とりゅふ」とハロウィンの野外イベントに出たり。

MOMO:そうそう、僕も楽団内でアンサンブルを組んで学園祭に出させてもらったりしてました。

── ではまず、今回注目された特設ページ、パンフレット等のデザインについて。

マツ(団長):だよタンが作ったあれは良かったよねぇ~、カッコイイ!

MOMO:会社のデスクトップがあの壁紙で、家もそれだから家でも仕事してるみたいなんだよね(笑

だよタン:集客目的に頑張ったのはもちろん、団員の意識を高める意味でも力を入れて作ったかな~。
今回の演奏会はどのくらいの意識で取り組むのかっていうのを伝えたかったし。
それと、既存のオーケストラ[*3]の広報を覆したいってわけじゃないけど、こういうやり方もアリなのかなっていうのを提示したかった。
まあ、こうやって力を入れて作ったものが褒められるのは単純に嬉しいですね。

── なるほど。では大きな切り口で行きましょう。
ずばりコスモスカイらしさとは一体なんでしょう?

だよタン:それは深いねぇ~。
コスモスカイに関わる人の分だけコスモスカイらしさってのはあると思うんだけど。
だから、MOMOちゃんと自分の考えも違うかもしれないし、他の人ともまた違うかもしれない。
それを共存させるのは難しいと思うけど。

MOMO:ゲーム音楽っていうだけで入ったのに、本当に色んな人に出会えたね。
一期一会、考えさせられる事も沢山あった。

だよタン:例えば、自分はポップスとかロック、ジャズみたいにオーケストラとは違う環境から来たけど、コスモスカイが他の環境の人たちと繋げてくれたと思う。
最初は、趣味とか片手間と思って入ってみたけど、意外と本気なのは驚いた。

MOMO:コスモスカイオーケストラが何なのか。
個人的に言うのならコスモスカイらしさを探している事がコスモスカイらしさなんじゃないかな。
とても考えさせられるオケだしね。
例えば、みんなが思うゲーム音楽だったりオーケストラだったりの型というか概念を洗面器に入った水だとしよう。
そこに自分達みたいな新しい試みを持ったコスモスカイっていう石を投げ込んだみたいな感じかな。
それによって、刺激を受けて飛び跳ねる水もあるだろうし、そのまま波紋を浮かべながら漂う水もあると思う。
とにかく何かやってやろうっていう気持ちがあった。

だよタン:それは自分も思ってたなぁ。
今回演奏会に来てくれた人たちは、ゲームやゲーム音楽が好きな人、または音楽とかオーケストラを知っている人のどちらかが多いと思うんだけど。
その、なんというかゲームやゲーム音楽が好きな人が今回の演奏会を機に楽器を始めたり他のオーケストラとかを聞きに行きたいって思ってくれたら嬉しいし、逆に音楽とかオーケストラを知っている人がゲーム音楽もいいねって思ってくれたら、頑張った甲斐があったというか。

MOMO:今回ゲーム音楽を原曲まんまが少なかったじゃん。
それってゲーム音楽を「音楽」として捉えているコスモスカイの意思の表れなんだと思う。

マツ:そう、ゲーム音楽ってかなり特殊性があると思うんだよね。
ゲーム音楽っていうのはジャンルが確立されていなくて、ゲーム音楽っていうくくりにしてもいいんだけど、その中にはクラシック的要素が強いものもあるし、戦闘なんかはロックが多いよね、あと軽快な場所ではジャズやフュージョンなんかを使う場合もある。
そういう多ジャンルのものがゲームの中では沢山飛び交ってるんだよね。
ただ、あくまでゲーム音楽はBGMであって、ループされる事が前提だったり昔のハードによっては技術的に妥協しないといけない点が多かったり…

だよタン:そう考えるとゲーム音楽をそのまま演奏するっていうのは音楽的には未完成で、更に大人数が大きなホールで生演奏をするって事を考えると、余計にそういった未完成な部分や物足りない部分を補強する必要があった。
だから、原曲まんまで行けないというのは必然だったと思う。

マツ:ドラクエとかはオケ編成だけど、その他のゲーム音楽をオケと結びつけてそのままやると違和感があるからね。
だから自分もだよタンもアレンジを加える事によってそのゲーム音楽をひとつの音楽として昇華させる必要があったんだと思う。

だよタン:コスモスカイオーケストラってゲームを演奏する楽団だと思われていると思うんだけど、自分的にはもっと大きく捉えていて、ジャンルを問わず単純に良い音楽を演奏して、そこから色んな人に広がったり繋がったりしてくれたらいいなって思ってるんだよね。

マツ:まあ、もしかしたらそれもコスモスカイらしさなのかもしれないね。
ゲーム、ゲーム音楽、音楽、オーケストラ、人、etc…
様々な事柄が繋がるってことかな。

── では、クロノトリガーのオープニングの時計の音を生演奏しなかった事について少し反響がありましたが、これもコスモスカイらしさという考え方からなのでしょうか。

だよタン:あの時計の演出には感動したっていうのと、楽器でやってほしかったっていう2つの意見がありました。相反する意見ではないけれど。
編曲者としては生楽器で表現する事は考えてなかったし、単純にあの部分を生楽器で演奏していたらおかしいかなと思って、録音した音を使用しました。

── 「最後に立った瞬間、天井が突き抜けてコスモスカイが見えた気がした」と仰っていましたが。

MOMO:これはアレだ、自分が日記に書いた言葉だね。
自分が大学オケでコンマスをやってた頃、怖いOBが来て説教されてた時に。

「お前どんな教育してるんだよ!」

みたいにすごい怒られた時があって、もう怖くて直立不動で立ってたんだけど、その時酒が入ってたのもあってつい。

「演奏が終わって立った時に、天井の向こうにぶわって空が見えるような演奏会にしたいです!!」

ってポロっと言っちゃったんですよね。
そうしたら超怖いOBが、

「 あ・・・い、いいじゃん。。 」って。

マツ:感動させちゃったんだ!

(一同笑)

MOMO:その時、自分と同期2人で説教されてたんだけど、実際空は見えなくて、、
でも、今回の演奏会で見えたから、その時の2人に向けて書いた言葉だったんだよね。
その同期は覚えてなかったみたいだけど(笑

だよタン:終わった瞬間に人が壁みたいにぶわーって見えて、もっとあの拍手の瞬間を楽しみたかったねぇ。

MOMO:実は、拍手のパチパチって音で天ぷらを連想しちゃって、実際次の日天ぷら食べました(笑

だよタン:てんや?

MOMO:あ、そう(笑
あと、ちょっと不謹慎だけど、なんかもう帰りに不慮の事故があって死んでもいいくらいの気分だった。

── それでは少し原点に戻って、ゲーム音楽との出会いを教えて下さい。

だよタン:ゲーム音楽を意識して聴き始めたのは高2くらいだね。

マツ:あ、一緒くらいだ!(笑

だよタン:ゲームは小さい頃からやってたんだけど、音楽自体は全然やってなくて、サントラとか聞き始めたのもFF9が初めてなくらい。
それから高校卒業の進路でゲーム音楽の作曲家になろうって思ったんだけど、音楽もやってないから音大にも行けないし、結局音楽系の専門学校に行ったんだよね。
ただ、実際就活をしてもゲーム音楽の作曲家の仕事って凄く門が狭いから、全部落ちちゃって(笑
結局、ゲームも音楽も関係のない仕事をしているけど、どこかでゲーム音楽に対する想いみたいなものはあって、、
そこでコスモスカイオーケストラを知って何かやってみようかなって思ったんだよね。
満席の大ホールで演奏するなんて事になるとは思わなかったけど(笑

MOMO:自分は小学校4年生の時にFF4のプレリュードを聞いてものすごい衝撃を受けて、テープに録音したのが最初かな。
それを学校の音楽の先生に持っていって、これはどういう音楽ですか?って聞いたら

「 クラシックじゃない? 」

って言ったの(笑
だから、当時はそれを信じちゃって・・・

だよタン:騙されちゃったんだ(笑

MOMO:そう(笑
まあ、どうも違うなとは薄々感じてたんだけど、、
それでピアノをやってて何とかなく音は分かってたから、リコーダーでティナのテーマ[*4]とかを吹いてた。
そうするとみんなに、それ何ページに載ってるの?とか何の曲?って言われるんだよね。

だよタン:自分のクラスにも居たわ(笑
ドラクエの序曲とかをピアノで弾いてる人やつ。

MOMO:それで、高校になって音楽の部活に入ってゲーム音楽を演奏したりしてたけど、周りの人はゲーム音楽に興味ないんだよね~。
その時から何でこんなにいい曲あるのにみんな知らないんだろう?って思ってた。
何故こんないい曲を知らないのかと、もうゲーム音楽を知らずに結婚できるのかこいつら!?みたいな。

(一同爆笑)

MOMO:コスモスカイに出会ってからと演奏会が終わってから変わらない想いがあるとすれば、もっと色んな人にゲーム音楽を良さを伝えたい!っていう簡単な事ですね。

── なるほど、それぞれゲーム音楽に対する想いがあったんですね。
それでは最後に、コスモスカイオーケストラに出会った頃の自分に今、声をかけるとするなら。

MOMO:早く就職しろと!!(笑

だよタン:もうちょっとアンテナ張っとけば良かったのにねぇ~とか(笑

── さて、コスモスカイお決まりの締まらない言葉が出たところで(笑
今回の対談をお開きにしたいと思います!

この対談を通じて、第1回定期演奏会への想いや、今後のコスモスカイオーケストラの方向性も少し見えてきた感じもしました。

それでは、今後もどうぞ暖かく見守って頂ければと思います。
次回演奏会もご期待ください♪


*1 コンサートマスター … 管弦楽団における首席第1バイオリン奏者。
団員と指揮者の橋渡し、また全体を牽引する役割を持つ。略称コンマス。

*2 ライブマスター … コスモスカイオーケストラのライブステージを取りまとめる人。
一般的な楽団には存在しないため、名称自体認知されていない。

*3 オーケストラ … 様々な管楽器・弦楽器・打楽器の組み合わせによる大規模な演奏集団。
ここでは、一般的な管弦楽団の意で使用。略称オケ。

*4 ティナのテーマ … ファイナルファンタジー6のメインキャラクターの1人「ティナ」のテーマBGM。




トラックバックURL :


関連ワードを含む投稿